I M A G O
Opening myself up,
the heavens
descend,
lifting me up
into their midst.
Without moving
I travel far.
Chris Mosdell
イマーゴ
私を広げると、
天
が降り来る、
私をその中央へと
浮遊させながら。
動かずして
私は遠くへ旅をする
翻訳 Yuta nakano
IMAGOは、個人的な密やかな記憶や感覚、そこから生み出
されるイマジネーションをテーマにし たシリーズ作品です。
私は、小さな頃、好きなものを箱に入れ、時々、その箱を覗
いては、いろいろな物語を想像することが好きでした。拾っ
てきた小石、道端の名前も知らない花の押し花。お菓子のオ
マケ。母からもらった鹿のブローチ。蝶の翅を拾ったことも
ありました。触ると滑らかなのに細い骨が凛としていたこと、
その白い翅を手のひらにのせると雪のように儚かったことが
今でも鮮明に記憶に残っています。個人的な密やかな感覚。
誰も立ち入れない領域のはずなのに静かに見つめていると見
知らぬ遠い誰かと繋がっているような不思議な感覚に陥り入
ります。私はそのイマジネーションの変容と広がりの美しさに
日々興味深さを感じています。
木村 奈央
※上記の詩は、クリス・モスデル氏により木村奈央の作品世界をイメージし詠まれた詩です。
※IMAGO(イマーゴ)は、イメージを語源とした蝶や蛾を意味する言葉です。